エア・フリー 〜存在しない私達〜《後編・絆》
吉永からケータイにかかってきた。
「今夜は空いてますかぁ〜?」
「空いてません。ていうか一生空きません。」
私がきっぱり拒絶すると吉永は
「あれ〜冷たいなぁ。やっぱ大金を手にすると人って変わるもんだねぇ〜」
と相変わらず軽いノリで話す事を止めようとはせずに私は一層ムカついた。
「はぁ?おっしゃってる意味がよく分かりませんが…」
「あれれ〜とぼけようったって無駄よ!俺ちゃーんと見てるから…ハイ!梓ちゃんは確かに中条さんから通帳を受け取ってました!!」
途中から学校の先生にクラスメートのイタズラを報告する小学生の様な口調に変えて吉永は楽しんでいる。
私の怒りは頂点に達していたが、吉永は密かに見ていたのだ。
中条氏の終篤の時を…。
そーだろう何人もの名探偵や辣腕刑事が
「犯人は現場に帰る。」
と教えてくれたじゃない。
でも私はそれを肯定も否定もせずに
「アンタこそ何を注射したの?分かってるんだから。」
と反撃に出た。
すると急に何かのスイッチが入ったように吉永は豹変した。
「お前に言っても分からないような新薬だよ!だからこれは殺人じゃない!治験だよ。治験。たまたま患者の体質に合わなかっただけさ。俺は悪くない。俺様を脅そうなんて百年早いんだよ!美佐子に何もかも言うぞォ!このアマがぁ!!言われたくなかったら金を半分よこせ!」
「今夜は空いてますかぁ〜?」
「空いてません。ていうか一生空きません。」
私がきっぱり拒絶すると吉永は
「あれ〜冷たいなぁ。やっぱ大金を手にすると人って変わるもんだねぇ〜」
と相変わらず軽いノリで話す事を止めようとはせずに私は一層ムカついた。
「はぁ?おっしゃってる意味がよく分かりませんが…」
「あれれ〜とぼけようったって無駄よ!俺ちゃーんと見てるから…ハイ!梓ちゃんは確かに中条さんから通帳を受け取ってました!!」
途中から学校の先生にクラスメートのイタズラを報告する小学生の様な口調に変えて吉永は楽しんでいる。
私の怒りは頂点に達していたが、吉永は密かに見ていたのだ。
中条氏の終篤の時を…。
そーだろう何人もの名探偵や辣腕刑事が
「犯人は現場に帰る。」
と教えてくれたじゃない。
でも私はそれを肯定も否定もせずに
「アンタこそ何を注射したの?分かってるんだから。」
と反撃に出た。
すると急に何かのスイッチが入ったように吉永は豹変した。
「お前に言っても分からないような新薬だよ!だからこれは殺人じゃない!治験だよ。治験。たまたま患者の体質に合わなかっただけさ。俺は悪くない。俺様を脅そうなんて百年早いんだよ!美佐子に何もかも言うぞォ!このアマがぁ!!言われたくなかったら金を半分よこせ!」