雨上がりの空に…
車の屋根に落ちてくる雨音が次第に激しくなる中。
触れ合うことのない指先に、少しの不満を募らせる。
不意に首に回された腕に、極度の緊張を覚えて流されるかのように目を閉じた。
お互いの額がぶつかっただけ。
もう一度、今度は触れたか触れないか。
唇に掠っただけのキス。
合わさった視線の先に、あなたの照れた顔。あなたの瞳の奥にはわたしが映されていないことはわかっている。
でも、もう少しだけ一緒にいたかったわたしは。
「どっか行かない?」
気づいたらそう呟いていた。