雨上がりの空に…
あなたの温もりがほしくて、身体だけでもいいって思った。
このまま帰りたくなくて本気で欲しかった。
これが最後だから。
あなたの腕の中で溺れ、ちらつく現実を捨てるかのように目を閉じる。
今だけを見ていたくて、腕時計を外してくれた。
昔が蘇るくらいの強引に重ねた唇に、涙が溢れそうになる。
「好き?」
そう問えば。
「当たり前。」
そう返事して、そんな偽りの気持ちの確認作業さえも。
信じて、あなたに溺れていたかった。
だから、気晴らしでもなんでもよかった。
淋しさを埋め合うだけでよかった。
だけど―。