白いジャージ-ポエム-
坂道
『坂道』
向かい風が吹いているせいで
いつもより歩くのが遅い
時計を見る
少し早足で歩く
あなたはいつものように
そこにいて
私を見つけて 手を上げる
急ぎ足の私の後ろから
あなたが呼ぶ
走れ走れと背中を押す
そして
ゆっくりと
スローモーションのように
私を追い抜いていく
あなたの背中
忘れないよう
色褪せないよう
ずっとあなたの背中を見ていた
振り向いたあなたは言う
一緒に走ろうと
私は遠い背中追いかけて
手を伸ばす
追いつきたい
その背中に
忘れない
あなたの背中
あなたの匂い
あなたの優しさ