白いジャージ-ポエム-
卒業までの日々
『卒業までの日々』
カメラ手に持ち
廊下を走る
遠くから聞こえる
あの人の怒鳴り声
眩しい光浴び
噴水の水の音聞いて
残り少ない時間を過ごす
どこかに置き忘れた宝物を
必死で探すように
夢中で走って
いつも笑ってた
永遠ではないと知りながら
毎日歩いた坂道も
土の匂いのする下足室も
購買でいつも買ったミルクティーも
止まればいいと
戻ればいいと
空に願っても叶わない
永遠でないこと気付いた日から
今を精一杯走ってる
プールサイドの花壇
思い出の更衣室
こっそり泣いた屋上
全部
全部
宝物
忘れないから
一生忘れないから
だから
私達のことも
忘れないでねと
校舎に向かって叫ぶ
涙溢れる
卒業式の歌の練習
笑っているのに
寂しくて
涙が頬を伝う
いつか来るとわかっていたけど
やっぱり
寂しいよ
卒業……
卒業までの日々
あと何日ここで笑っていられるんだろう
あと何度この場所であなたに会えるんだろう
卒業までの日々
飛び立つ前の準備をして
深呼吸
卒業までの日々
目を閉じると消えてしまいそうなキラキラした風景
しっかりと目を開けて
瞳と心に焼き付ける
ありがとう
ありがとう
ここで出会えたすべてに
ありがとう