[ ne・o-Child ]
部屋のインターフォンが鳴る。
「でて。」
ソファに座ったままハルに言う。
二人の男が入ってきた。
「水道菅の工事に伺いました。なんつって、櫂、おつかれぇ~!!」
帽子を外し、作業着を脱ぎながら俺の横に腰を下ろすこいつは、最近チャラ男きどりな童貞を捨てたばかりのPCマニア。
そして昔の仲間。
本人は相当イケてると思ってるから何も言わない。
「おつかれ、峻平(シュンペイ)」
「やめてよ。峻って呼んでくれる?ペイって付けると今の俺のイメージ崩れるじゃん。」
そのバカを無視し、
目の前のソファーに腰を下ろす仁(ジン)に声をかける。
「おつかれ、みんなは?」
「車の処理と後はいつもどおり解散させたよ。」
「そっ。ありがとう。」
「それで、データの方は?」
「大丈夫。」
俺はソファーから立ち仁の背後にある。ガラスのパソコンデスクの前に移動した。
「ただここからは、峻……の出番だな。」とそちらに目を向けると
ニヤリと笑い
「アイアイサー!!」
と嬉しそうに敬礼する峻平。
椅子に座るとカチャカチャとパソコンのキーボードをたたき始めた。