[ ｎｅ・ｏ－Ｃｈｉｌｄ ]

脱出

ｼｭｯ―ｼｭｯ――

とナイフが俺に向かう。
かろうじて避ける程度
というより所々、
ナイフが体に触れていた。

RENの動きが早くて止めれない。

「REN･･･REN････REN！！」
何度も声に出して呼んでいた。

RENは俺の声が聞こえて
ないようだった･･･




人より優れた力なんていらない

人なんか殺したくなかった



ただ普通に生きたかった

それだけなのに･･･


RENが前に俺に泣きながら
言った言葉。




それなのに殺戮のために
創られた･･･生を享けた子供

「ぐっ！―･･･」
RENのナイフが俺のわき腹に
刺さる。

俺は昔ハルにしたように
それを受け止めた。

そうしないとRENを止めること
が出来なかったから･･･

ナイフが刺さったまま
体が下がり膝を床についた。

「うっ！―･･･」
さらに奥に刺そうとする
RENの手を左手で止め、
右手でRENを包んだ。

RENの髪が俺の頬に触れる。

「REN･･･愛してるよ。」

耳元で囁きながら
俺は自然と涙がでていた･･･


ﾋﾟｸｯ――
と明らかに反応を示したRENは

「ぐぁ！―･･･」
急にナイフを抜いたかと思うと
両手でそれを掴み、頭の上に掲げていた。