[ ne・o-Child ]
カシャン――

ハルが洗い物の皿を割る音が響いた。


突然の知らない声。



(こいつ……いつの間に?)


キッチンの前に足音も気配すら感じさせずそいつは立っていた。

濡れた髪をタオルでクシャクシャと拭いたかと思うとそのままタオルを肩にかけ

俺をまっすぐに見据える。


「うひょ~!!かわいい!!誰?誰?!」

峻平が一番先に声を発した。


さっきの汚らしいガキは
ハルの白いロンTとデニムをダブダブで着ていたが、

華奢な体の首の上には恐ろしいほど美しいその顔がのっていた。

日本人ではない。

髪は、アッシュブロンドのショート。

目はグリーンに薄いグレーが混ざった様な不思議な色をしていた。

鼻筋が通り、小さく閉じられた口は白い肌だからなのかやけにキレイなピンクに見える。


俺は、美少年にも美少女にも見えるその中性的な姿に目が奪われていた。
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