[ ne・o-Child ]

決断

ハルと峻平は手術室をでて
俺のところに来ると
一緒に並んで座った。

洋服は処分していた。

なぜか沈黙が奔る。


俺はその空気を破るように

『櫂の妹はいつ死んだの?』

と聞いた。


2人とも一瞬、動揺したみたいだけど
ハルが「1年前」と教えてくれた。

『そう・・・』

考えればすぐわかることだった。
両親を亡くした櫂の最後の家族・・・
その妹と一緒にいないわけがない。

『あの家で一緒に・・・?』

「そうだよ。」
とハルが優しく言う。

『どんな子だった?』
とさらに聞く俺に、

「明るく笑う太陽みたいな子だった。」
と言うハルの横で峻平が

「優しくていい子だった。
RENはどちらかというと月だな(笑)」

『何それ?暗いってこと?』
と峻平を見てわざと睨む。

俺と正反対な子だったんだ・・・

「いやいや!俺は好きだぞ月の光は
薄暗くて・・・程よくて」と焦る峻平。

『フォローになってないんだけど(笑)』

でも・・・ありがとう。


その夜、俺は手術室の櫂の側に
ハルはベンチシート、
峻平は車の中で仮眠を取っていた。




< 157 / 188 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop