[ ne・o-Child ]
「REN・・・?」

音を立てずに歩いた
つもりなのに後ろから
ハルの声が聞こえた。

振り返るとハルは
ベンチシートから上半身を
あげ、こっちを見ていた。

『ん?ちょっと夜風に
あたってこようかと思って(笑)』

「うそ。」
ハルはそういい俺の方にやってきた。

「REN、あの時と同じ顔してるっ。」

俺は思い出して

『そういえば、もう体・・・
大丈夫なんだよね?』
とハルに確認すると

「うん。僕は全然平気!
でも、そうじゃないでしょ?!
何をするつもり?
行っちゃダメだよ。

もう終わったんだから!
櫂が目が覚めたときRENが
いないと悲しむよ。」

と俺に訴えかけるハル。

『ハル・・・
何も終わってないんだよ。

何も解決してない。

NE・O BIOTEC(ネオ バイオテック)
には俺の卵子と新しいデータがある。

そして何よりあいつが
まだ生きてる・・・

また同じことをやるんだ。

俺がね、終わらせなきゃダメ
なんだよ。』

ハルが俺の腕を掴み

「そんなの、櫂は求めてない!
櫂は復讐を終わらせるって言ってた。

RENが戻ったらそれでいいって!」


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