[ ne・o-Child ]
「何か喉渇かない?」
ってハルが冷蔵庫から麦茶を取り出しコップに注ぐ。
目の前に置かれたコップ。
俺は何も言わず、ハルの言葉を待っていた。
「目が覚めたらね。台所にいて……でも、お父さんとお母さんの死体は消えてた。さっきまであった血の跡も何も残ってない。僕は警察に行って
事情を説明しようとした時、声がでないことに気づいた。
怖かったけどもう一度山に登ったら、死体が跡形もなく消えてた。
今だったらわかるけど僕はその時《誰にもしゃべるな》って、あいつらに声を奪われたと思った。
結局両親は、行方不明扱いで僕は親戚のおばさんに預けられ、この街に来た。」