[ ne・o-Child ]
ハルは、一瞬俺を見てフッと笑ったかと思うと、

どこか遠くを見つめて

「あの頃、おじさんとおばさんによく殴られてた。

声がでないから何も言えなくてさっ。

櫂はすぐに気づいたみたいで、僕を引き取ってくれた。

最初は最悪だったよ。

だってそうでしょ?自分の親を殺した相手だよ。

毎日が苦痛だった。

でもね、ずっと一緒にいると櫂の優しさや痛みがスゥ―っと僕の中に入ってきてさ。

どうしてかな?

怒りが消えていった。

櫂は僕の居場所をつくってくれたんだ。

うらんでないよ。

憎しみは何も生まない。


僕は今は櫂を家族だと思ってる。櫂はどうかな……?」

『バカ!そう思ってるよ!櫂を見たらわかる。ハルもわかってんだろ?』


櫂がハルに向ける眼差しはいつも優しくて愛しいものを見る目だった。

だから勘違いした。
ホモなんじゃないかって。

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