神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
【翌朝】

小鳥の鳴き声が良く聞こえる早朝に、葉明達が都に帰りついたという知らせが飛び交っていた。


それにともなって召集された晴明は、帝の間で彼の帰りを待っていた。


葉明と共に歩いてきた透は、一足先に帝の間に入って晴明達の会話を聞くことにした。


その時である。


今まで安定していた夢の世界が急に歪みだし、ひどいノイズ混じりの背景に変わってきたのだ。


(何故だ急に今までの安定が嘘のように乱れてる!
これから先は見る必要は無いって事なのか)


透は白黒フィルムの様に色あせていく晴明の姿を必死で追った!


しかし背景はどんどん遠くなり、音も聞こえなくなってきた。

そして透は真っ暗な空間に一人残されてしまった…。
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