神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
酒呑童子は透と話す事に飽きたのか急に背を向けて歩き始めた。


(あ!おい!まだあんたには聞きたいことが沢山あるんだ!待ってくれ!)


透は去り行く酒呑童子を引き留めようと声をかけた。

そしてその声にピクリと反応して振り返った酒呑童子は、透に一言だけ呟いた。


『いいか坊主、三種の神器だけは渡しちゃならねえ。必ず死守しろ。』


それだけ言って彼は再び歩き始め、それから二度と振り返る事も無く暗闇へと溶け込んでいった…。


(三種の…神器…?)


透はそれだけ口に出すと、酒呑童子の真意を探ろうと考え始めた。


しかし、周囲の背景がそれを邪魔するかのように光り始め、目が開けきれないくらいに満ちあふれていった!
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