神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
「あの〜沙綺?かなり重くて蒸し暑いんだが…。」


透は自分にのしかかる山のような砂にげっそりとして言った。


「おう!泳げない月読ちゃんとの愛の力作!どうだ気に入ったか?」


横目で見ると楽しそうに砂を固める月読と、ニヤニヤした沙綺がいた。


「出来れば今すぐ破壊して出たいんだけどいいか?」


「ふふん、出れるなら出てみるが良い。成功したら褒めてやるわい。」


月読が挑発的な笑顔で透を煽ると、新しく砂を盛りつけ始めた。


「それなら遠慮なく!…ふん!
…あれ?動けない!もう一度!っくっ!何故だ!?」


必死にもがいている透に向かって月読は言った。
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