神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

その召喚士の名は「水嶋 元」

彼は東の白蓮、西の元と昔は呼ばれるほどの長であった。

忍と彩音を最後に現役を引退したと聞いていたが、この度白蓮に孫を預かってほしいと言うには余程なにかがあったのかもしれない。

そこで最も信頼のでき、退魔士の中でも名の知れた御影を迎えに行かせたのだった。


「それにしても文を読む限り、わざわざ亮太を預かる理由が見つからないねぇ？」


再び手紙に目を通した白蓮は、今頃空港に居るであろう御影が聞いてきてくれるだろうと考えて、手紙を台の上に置いた。

そして少し庭を散歩しようと外に出た時、空に浮かぶ二人の女の姿を発見した。


「あ…、貴女達は誰じゃ…？学生？」