神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
「ん?なんだ小僧達…何故ここにいるのだ?」


「月読ちゃん!」


透達が見つめる先に居たのは大きくてふわふわなネコ耳を頭に乗せた猫又の月読だった。


「やあ、幹矢さんに聞きたい事があってね。月読も手が空いているなら一緒に聞いて欲しい。」


透は月読に幹矢が席を外しているから待っているのだと説明した。


「そうか、幹矢はさっき本堂に向かっていたからまだしばらくかかるかもしれんな。
ワシは特にする事無いから話を聞くのは構わんが…重要な事か?でなければわざわざ来るはずがないからのぅ。」


「かなり重要な事だ。そして早く手を打たなければならないかもしれない。」


透に続いて言った沙綺の真剣な様子に、月読は言い現せない不安感を感じた。
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