神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
「ふむ…では幹矢の帰りを待つとするか。
…それにしてもお前達は客なのに幹矢は茶も出しとらんのか?らしくないな。」


月読は何もないテーブルの上を見て不思議そうにそう言った。


「いや、さっき琴子って巫女さんに頼んでいたみたいだけど?」


透がそう答えた時、扉の向こうから琴子の高めな声が聞こえた。


「お待たせいたしました!」


そう言って扉を開けて入ってきたのは巫女…ではなくメイドさんだった。

緩やかなウェーブの髪を下ろして、手にはお茶と茶菓子…ならぬ紅茶とティーカップを持っていた。


「またお前はそんな格好して!巫女服で良いではないか!?何じゃそのひらひらした服は!?」


真っ先に月読がツッコミを入れた。
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