神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
まだ牛頭は話したそうだったのだが、透達は戦闘態勢に入った馬頭を無視する事が出来なかった!


「マズい!行動が早すぎる!神楽、少し時間を稼いでくれ!」


「刃物相手は苦手だが仕方ない!」


術式発動の時間稼ぎを頼まれた透は、拳を堅く握りしめると狐火を纏わせて馬頭に向かって駆け出した!


「ふ〜ん…あんたが相手してくれんのかい?
やるからには逝かせておくれよ……な!」


「何!?」


いきなり視界から馬頭が消えたかと思った瞬間、敵は透の真下に潜り込むようにして目の前に居た!


舌をペロリと出した馬頭の顔が迫り、即座に透は体を鋼に変化させた!


ガギィィィイイイン


直後に下から跳ね上げられた斬撃に、透の体は後方へと一撃で吹き飛ばされた!


「な…なんだこの威力は変化抜きなら真っ二つだぞ」


透は鋼の体になってすら感じる衝撃に戦慄を覚えた!
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