神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
左手はギターケースを立てたまま、彼は右手一本で岩を担いでいた…。


「んな…馬鹿な…あれだけでも数十トンはあるはずだぞ!!?」


「あぁ?数十トンって何だ?よくわからないが…石ころ投げじゃ遊びにすらならねーぞ。」


彼は何事もないように言い返すと、岩を裏拳一発で粉砕した!


「やるってんなら仕方ない…面倒だが俺も獲物を出すとするか…。」


牛頭はギターケースを開くと、一本の斧を取り出した…。

その斧は霊力に呼応するように、ドンドン大きくなると自分の体が隠れてしまうほどの大きさへと変わっていった!


「何だそのでたらめな大きさは」


驚く透にお構いなしの牛頭は、眠そうにあくびをしながらこう答えた。


「神器を素直に渡すならいつでも止めてやるが…正直、死んでから奪われても文句言うなよ?」
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