神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
透は沙綺と幹矢の顔を見ながら考えた。


(牛頭の力に対応できるのは俺だけか…。
しかしサシの勝負はきつすぎる!かといって馬頭を放っておく事もできない。)


牛頭と馬頭の能力は計り知れないが、少なくともパワー系とスピード系だということは気がついた。

前衛が出来る味方は透か月読くらいなものだと考えていた。幹矢の能力は詳しくわからなかったが沙綺と似たタイプに感じたからだ。

そう考えた瞬間、この場にいるはずの月読が居ない事に気がついた。


「不動さん!月読はどうしたんですか!?」


透の問い掛けに周りを見渡した幹矢は首を横に振った。


「月読の事は気にせずに前を見るんだ!!」


幹矢に叫ばれて前を見た透は、一跳躍で踏み込んできた牛頭の姿が目に入った!


「おらよ!」


一気に振り下ろされた斧がブンッと空気を裂きながら地面を叩き付けた!
間一髪で透が避けた結果だが、それだけでは済まなかった。
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