神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
「ヒャハハハ!でかい口叩いた割には串刺しで終わりかい?呆気ないねえ!」


馬頭が高らかと笑い声を上げながら勝利を確信した。


「不動さん!」


透は土煙で視界が晴れない幹矢に向かって冷や汗を流しながら叫んだ。

あれをまともに食らったなら生きているはずがない!

沙綺も心配そうな顔で土煙が晴れるのを待っていた…。


すると意外な事に土煙が晴れるより先に幹矢の声が聞こえてきたのだ。


「おやおやこれはまた沢山くれたねえ?どうせだったらラブレターの方が嬉しいんだけどね。」


風が吹いて土煙が払われた先には、幹矢が以前と変わらぬ姿で立っていた。

ただ一つ違うのは、彼の目の前には馬頭の放った剣達がビタリと停止していた事だ。


「馬鹿な!?そう簡単に止められるほど甘い攻撃じゃなかったぞ!」


沙綺はその様子に目を見開いて驚いた!
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