神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
幹矢はそんな馬頭に向かって微笑むと、目の前の剣達を全てその場で溶かし落としてしまった。


「不動明王の憤怒の炎は冥界の剣でも溶かしてしまう…。なかなか勉強になったよ。」


彼は扇子を閉じると馬頭に向かって先を突きつけた。


「さあ、次は僕の番だ…。」


そう言うと同時に幹矢の体がハラハラと姿を崩して、青く光り輝く極楽蝶の群へと変化した!


「何!?現世で極楽蝶の具現化だと!」


周囲一体を極楽蝶に取り囲まれた馬頭はそう叫んだ直後、一匹に触れてしまい連鎖爆発に巻き込まれて吹き飛んだ!


「グハァ」


木の葉のように軽々と舞い上がった馬頭はかなりのダメージを負ったのか、受け身すらとれないまま地面に落下した。

その背後では蝶達が自然と集まり幹矢の体へと戻り、再び人間の姿へと姿を変えた。


「燃えたかい?なかなか僕も激しいだろ?ふふふ。」


幹矢はゆっくりと馬頭の方へ向き直りながらそう呟いた。
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