神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
一同がその意味を感じ取って黙り込んだ時、今まで沈黙を保ってきた御影が口を開いた。


「解りました。事態は急を要します。私は宿を朝一で手配しますので伊勢へ向かいましょう。
…今日はもう遅いですし、これくらいにして休みませんか？」


「…そうじゃな、皆もそれでよいか？」


御影の提案に頷き返した元は、立ち上がって皆に同意を求めた。

忍は眠そうな彩音の顔を見て同意し、透と沙綺も頷いた。

幹矢は月読に部屋へ案内するように指示した後、自らは元を別室へ案内すると言って、すでに寝てしまった亮太を背負って立ち上がった。


「水島様、よい機会ですしオマモリサマと明日会っていかれませんか？
守護者の中では一番古い方ですし、亮太とも会いたがっていますので。」


「おお！それは是非とも。ワシはお会いしたこと無いからのう。ありがたい申し出じゃ。」


元はニコリと微笑むと、亮太の寝顔を見つめて頭を撫でた。


「よし、じゃあ僕達も休むとしよう。」


御影も透達に声をかけた。


「そうですね、御影さん達も疲れてるでしょうし。正直俺達も今日の戦闘はギリギリで体が痛かったんです。」


透は軋む体に苦笑いしながら沙綺と共に部屋を後にした。
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