神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

「ハンッ！さっさと逃げちまえば良かったんだよ！アタイが後ろから的にしてやったのにさ！
今からでもいいから逃げなよ、串刺しにしてやるからさ！キャハハハハ！」


「くっ…お前達に用は無い！スサノオを出せ！」


透は四天王達の放つ霊圧に、じっとりと汗ばみながらも強気を通した。


その時だった！


『我を呼んだか？愚かなる人間よ…。』


突如頭の中にスサノオの声が響き渡ると、四天王達の上に眩い光が現れた！

そしてその光が弾けた場所に立っていたのは…紛れもなく荒神スサノオだった…。


「約束の刻限に一人でやって来るとはな…抵抗が無駄だと理解したか。」


スサノオは無表情なまま虫けらを見るような目でそう言った。


「いくらでもコケにすればいい、だがな…俺は諦めるつもりはない！
例えそれが神だろうとな!!」


透は内に秘めた闘気を全開にして拳を振り上げた！


その闘気の大きさに、四天王達も眉根を寄せて警戒した。


「テメー…人間にしちゃ過ぎた力持ってるじゃねーか。」


風神が冷笑を浮かべながら拳を鳴らした。