神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
スサノオはそれを右手で受け止めると、口を大きく開けて高らかに笑った。


「はぁーっはっはっは!
愚かなる人間よ、お前は自ら死を選んだ。その行いを我は評価しよう。
…さぁ見ているがいい!破壊の神にして創生の神となる瞬間を!」


そう叫ぶとスサノオは三種の神器を夫婦岩の間へと解き放った!

左右を岩に挟まれた隙間に、三種の神器が三角の形に停止すると莫大な霊力が湧き上がった!

岩と岩を結んでいた縄がちぎれ飛び、周囲一帯が台風の中にいるような暴風にさらされた!


「これが…神の創りし神器の力か…。」


元は沙綺を気絶から起こすと、肩を貸しながら身を固まらせた。

圧倒的な霊圧の上昇は、以前亮太が見せたものとは比べものにならないほど強大であり、触れるだけで体が消し飛びそうなくらいだった!


「これで全ての準備は整った…。残るはアマテラスのみ…。
ぬくぬくと神界で過ごしてきた貴様に我を止める事はできぬ。
待っているがいい…はぁーっはっはっは!」


額に手を当てて狂ったように笑うスサノオを、透は瞬きすら忘れて睨みつけていた。


(酒呑童子、お前の思ったままの展開になったぞ…裏切ったらあの世でブン殴ってやるからな!!)
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