神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
『ケッ!あの世ってのは神界の事か?あんな胸くそ悪い場所に行きたいなら一人で行けよ!俺様はゴメンだぜ。』


(ははは、鬼の王にも苦手があるんだな。
いずれにせよ失敗は許されない!)


『ああ、千年の恨み晴らさせてもらうぜ!!』


酒呑童子は心を通わせた瞬間、初めて意識を保ったままの透に手を貸した。

透は自分の中に酒呑童子の魂が溶け込むのを感じ、体の奥から沸き上がる衝動に叫び声をあげた!


「うぉぉおおおお!!」


急激な霊圧の上昇に伴い、透の容姿にも変化が起き始めた!

髪の色が銀色に染まり、さらさらとなびいている。
肉体も逞しく、細身だった透から想像できないほど力強さを感じる体型へと変化した!

その姿は、透自身は気づいていないが平安時代の夢を見た際の酒呑童子の姿だった!


『いいか坊主!奴が天岩戸を開いたら、必ず四天王が守りに入る!テメーはそれを振り切らなきゃならん!!
やれるかとは聞かねえ、やれ!!』


酒呑童子の声を聞いた透は、鬼切丸を鞘から抜き放って四天王を睨み付けた。
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