神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

『百鬼夜行とは珍しいな天照殿』

『何事じゃ？』

『奴は何者だ！』

『スサノオだ！追放された者がおる！』

『裁け！裁け！』


そこに現れた光の玉達はザワザワと口々に話し始めた。
どうやら一つ一つが何かの神なのだろう。すでに何を言っているのか聞き取れないほどのざわめきとなって透達を包み込んでいった！


「この空間は貴様が創り出した異空間…現世や神界とは繋がっていないのではないのか!?なぜだ!!答えよアマテラス！」


スサノオは圧倒的な数に気圧されながらアマテラスへ問い掛けた。


「弟君よ…神界とて移り変わりゆく…そなたが居なくなってから創り変えたのじゃ。この時が来るのを見越してな。現世との繋がりは自ら天岩戸を開いたではないか。」


「この時が来るのを…見越していただと…？」


「神界から追放されたそなたが現世へ降りたのなら、間違いなくこうなると解るわ。
…愛深き故に視野の狭くなった弟君よ…。
残念ながらわらわはそなたを裁かねばならぬ。
百鬼夜行によって集められし神々の元で裁きを受け入れよ。」


天照大神は二本の腕を合掌させ、残りの二本を上にかざした。

スサノオはそれを見て動き出した他の神々に周りを囲まれる前にきびすを返した！


「クッ！状況が変わった！我は出直す、覚えているがいい！アマテラスよ！
邪魔だ人間、そこをどけぇ!!」


スサノオはそう叫びながら透の背後にある入り口に向かって飛んで来た！