神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
しかし天照大神は黙したまま動かない。
そして四本の腕で印を組むと、再び声高らかに叫んだ!


「…そなた達にも罰を与える!この場に来たれ!」


その瞬間天照の前に四つの光が光臨した!


「え!?ウソ…マジ?」

「どこだ…ここ…。」

「畜生!」

「ここまでか…。」


その場に現れた声は、現世で戦っていたはずの四天王のものだった!


「アイツ等!!…倒したはずの牛頭まで!?」


透はあまりの出来事に驚きを隠せずにいた。


『天照大神の力はコイツ等にとって逆らい切れるもんじゃねーって事だろ。』


酒呑童子は淡々と語ったまま、その様子を伺っていた。


『風神、雷神、牛頭、馬頭…。そなた達もスサノオの命を受けていたとはいえ、自らの職務を越えて現世へ干渉しましたね?
この罪を各界の統治神によって裁かれよ!風神、雷神は月読命、牛頭、馬頭は冥界にて閻魔の裁きを!」

天照がそう宣言した瞬間、風神達は何も返事する事が出来ないまま落雷と共に姿を消してしまった!
それは恐らく天照の力による強制送還だったのだろう、どこに消えたのかは透達にはわからなかった。
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