神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
第三者的な姿勢を崩さない二人を、沙綺は黙って冷たい眼差しで見つめた。


「月姉!そういう問題じゃないの!!
ほら‥あの…色々あるのよ!!…もう知らない!買い物行ってくる!」


忍は真っ赤な顔のまま足早に出かけていった。


「あ〜あ照れとヘソ曲げダブルだ。不動さん達からかい過ぎだぜ?」


沙綺はビールを一口飲むと、その手で幹矢達を指さして苦笑いを浮かべた。


「いやぁ〜なかなか楽しませてもらったよ。じゃあ透を治してあげようかね…月読手伝っておくれ。」


そう言って幹矢と月読はぐったりとした透の治療に入った。
その様子に沙綺は同情の眼差しで呟くしかなかった…。

「ははっ…踏んだり蹴ったりだな神楽。」





…そしてその日の午後は、白蓮の元へ久しぶりの顔見せに行く透達だった。
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