神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
幹矢は瞬時に想像を膨らませて結論を出した。
自分では気付いてないが、頬がゆるんでいるのを月読は見逃さなかった。


「…幹矢…またいたらん妄想をしてるな?なんじゃその締まりの無い顔は…。」


下から見上げられた冷ややかな視線に気付いた幹矢は、慌ててポーカーフェイスに戻ってシラを切った。


「何の話だい?そんな変な事考えるわけ無いだろう?やだなぁ。なっはっはっ!」


「ふん…まぁよい。お前も準備をしておくんだな。明日は早いらしいから。」


月読はそう呟いてスヤスヤと気持ちよさそうに昼寝を始めた。


幹矢はボーっとしながら月読を撫でていたが、いつの間にか自分もそのまま眠ってしまった。
< 56 / 436 >

この作品をシェア

pagetop