神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
善次郎は深く頷き返して本題に入った。


「その後の事ですが、私は各地をくまなく見て回りました…不審な妖気や霊圧を探して。
しかしいくら探してもこの地上には邪悪な霊圧…特に鵺よりも上位の霊体は存在しなかったのです。」


善次郎は真顔でハッキリと言い切った。


実際は妖気を隠して生活している九尾の命や、透の中に眠る酒呑童子等の上位妖怪も居たが、善次郎達が考える者は更に高位だろうと見当を着けていたのだった。


そして一息つくと善次郎は続きを語りだした。


「そこで私は鵺の捜索に変更したのですが…その時には既に…。」


「決着がついていた…と?」


「…はい、全くお役に立てずに申し訳ありませんでした。」


善次郎は深々と頭を下げて白蓮の言葉を待った。
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