神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
それからしばらくして、先に出た透達は昼前には海へ到着した。

車を降りて浜辺に向かうと、シーズン真っ盛りな賑わいを見せていた。


「おお!海だ!おい、神楽見ろよ!水着ギャルがわんさかいるぜ?」


沙綺が透の肩に腕をかけて楽しそうに周りを見渡した。

色とりどりの水着を着た女の子があちこちにいるのを見ながら、透は背後から来る殺気に思わず振り返った。


「み…水着ギャル!?沙綺はともかく透はそんなの見なくていいの!
水着くらい私達が着てあげるわよ。ね、彩音!」


どうやら沙綺のとった行動は忍のプライドに火を着けたらしい。
忍は彩音と月読の手を引くとロッカールームへと姿を消した。

昨日もマンションに帰ってから、彩音と水着を買いに出かけてしばらく帰ってこなかった所を見ると、かなり時間をかけて選んだ水着らしい。
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