神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
晴明は渋々立ち上がると葉明に向き合った。


「…じゃあお前は右大臣様と共に討伐隊の編成に当たってくれ。あの方一人では手が回らんだろうからな。」


晴明は葉明の肩に手を置いてニヤリと笑った。


「うげっ!本気か晴明!?あの方と二人になること考えただけで息が止まりそうだぜ!!」


「では一人で占いを担当するか?変わってやっても良いぞ?」


そう言う晴明に葉明は悔しそうに言った。


「謀ったな晴明…どっちも美味しくない話を出しやがって!
わかったよ!行けばいいんだろ?お前も早めに終わらせてくれよな!」


葉明はそう言って晴明に背を向けた。ブツブツと文句を言いながら去っていく葉明を見送った後、晴明は占術の準備に取りかかった。
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