神楽幻想奇話〜荒神の巻〜

白蓮から聞いた話や僧正から聞いた話を色々と思い出しながら彼等について行くと、沢山の書物が溢れる部屋へとたどり着いた。


（…すごい量の書物と巻物だな…!?頼光という人物は文官なのか？）


透が近くの漢字だらけの書物を見ていると、道真が机に向かって筆を走らせている一人の男に話しかけた。


「やはりここに居ったか頼光よ！今しばらく時間をもらっても良いかな？」


道真に名前を呼ばれた男はゆっくりと振り返るとにこやかに答えた。


「これはこれは右大臣様に陰陽師様。このような所にわざわざいらしてどうされました？」


「うむ、お前に用があってな。今話は出来るか？」


道真は机に乗せられている多くの書物を見て頼光に問いかけた。