神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
頼光も一瞬机の上を見て考えたが、直ぐに道真に向き合って問題は無いと答えた。


「ここで立ち話も何ですから奥に参りましょう。さぁ、こちらへどうぞ。」


頼光は二人を促すと奥にある畳の部屋へと向かっていった。

道真と葉明も黙って続き、頼光の前に腰を下ろした。


「バタバタしていて申し訳ありません。一言誰かに伝えていただければ私の方から伺いましたのに。」


「いや、良いのだ。お前も忙しい身だからな。探しても居らんなら後日にしようと思っておった所だ。」


透はそんなやりとりを聞きながら頼光を観察していた。

体格としてみるならば葉明の方がガッシリとして見える。
…とても鬼と戦えるほどの力があるとは思えなかったのだ。
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