神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
(この男が頼光?こんなに線の細い男に託しても大丈夫なのか?
これなら帝の部屋の門番の方がよっぽど強そうだが…。)


透がマジマジと見つめている間に話が大分進んでいるようで、既に葉明も交えて三人で話し合っている所だった。


(やべ!聞き逃した!ちゃんと聞かないとな。)

透は慌てて話の流れに置いてかれないように聞き耳を立てた。


「…というわけで相手が鬼なら晴明の式神じゃ相性が悪いらしいんだよ。」


「なるほど…確かに鬼対鬼では多勢に無勢、真っ向からやり合うには分が悪いですね。」


どうやら葉明は晴明が帝に対して話した言葉を、彼にも伝えていたようだった。

その話を聞いた頼光はしばらく考えてから道真に向かってこう言った。


「この件については渡辺綱と相談して至急対策を練りたいと思います。
晴明殿の占いには間に合わせるつもりです。よろしいでしょうか?」
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