神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
「おお、頼光四天王の渡辺綱だな?
確かにお前と二人で相談すれば良い案が浮かぶであろう、では待っておるぞ。」


そう言って道真は立ち上がった。

葉明はそれに続きつも頼光に一言念を押した。


「解っているとは思うが正面からぶつかっても勝てる相手ではない。
無謀な策を立てないようにな?」


「はい、もちろんです。私も命は惜しいですからね、どうにかして妙案をひねり出しますよ。」


笑顔で答えた頼光に頷き返して葉明も道真の後を追った。


(なるほどな…力では勝てないのを解っていたから切れ者の彼に頼んだって訳か…。
しかし鬼に話が通じるとは思えんが。)


透は暴走状態の前鬼達を思い出してゾクリと背筋を凍らせた。
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