神楽幻想奇話〜荒神の巻〜
横から口を挟めない葉明は、代わりに聞いてくれた道真に感謝して頼光の答えを待った。


「これは鬼達の情報を手に入れるべく、各地に散った四天王が最後に大蛇から救われた村に寄った際、スサノオが使ったこの酒を御神体として奉られているのを見つけたのです。
そこで、理由を話して譲って貰いました。」


道真は険しい表情で髭を撫でつつ、しばらく考え込んだ。


(なるほどな…アレが伝説の神酒なら鬼達も酔い潰れるだろうな。
…でも飲ませるだけじゃダメだ、その後トドメを刺すためには策が要る。)


透は恐らく道真達も考えてるであろう疑問に辿り着いた。

相手が妖では完全な作戦は立てられない。
後は頼光が言うように、いかに危険を減らすかが鍵だった。

(闇雲に戦うよりは、一か八かの作戦に頼るしかないのか…。)

透は切なそうに彼等の様子を見守った。
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