妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
全く、何だよ
『俺の恋人だ』とか宣言して!

二日酔いで頭がガンガンしてるんだから
これ以上、イライラすることを増やさすなよ

外に出ると、海堂が立っていた

黒いスーツに身を包んで、水色のネクタイをしている
髪はワックスで遊ばせてある

高校のときとは違う
海堂はすっかりおしゃれにも気を使う人間になっている

いや…もしかしたら秘書のおかげなのか?

海堂が壁に寄りかかって、私を見ていた

「デート」

「しません」

「食事」

「しません」

「送る」

「結構です」

海堂が悲しそうな顔をした
その顔は高校のときと全く変わっていない

「紫音」

海堂が真剣な顔になると、私に近づいてきた

「な…何ですか?」

「結婚しよう」

「はい?」

私の思考がストップしそうになる

高校のときから何を考えているか
わからない男だったが、現在もかわらず何を考えているかわからない男なんだな
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