妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
「紫音は独身だろ?」

「ええ、ええ、独身ですよ」

「彼氏は?」

「いませんよ」

「なら、何の問題もない」

「問題?」

「夫婦になれる」

「婚姻届がないから、夫婦にはなれませんよーだ」

「用紙が必要ならある
俺の箇所はもう書いてあるから、紫音が書けば提出できる」

はい?

海堂はまた鍵の入っていた棚の引き出しをあけると、クリアファイルを出してきた

そこには本当に婚姻届が入っている

しかも海堂の言う通り、海堂の署名捺印は終わっていた

「な……何で、そんなもの持ってるんだよ!」

「紫音と結婚するため」

こいつの思考回路が読めん

なんで用意周到なんだ?
いつから、こんなモノを持っていた?

「海堂……ごめん。書けないから」

私はクリアファイルごと海堂に返した
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