妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
「紫音はどうして怒っている?」

海堂の温かい手が私の頬に触れた

膝を床について、海堂が心配そうに私の顔を見つめていた

「帰る!」

私は海堂の手を振り払うと、立ち上がった

居間を出ようとすると、海堂が私の腕を掴んだ

「駄目」

「うるさいなぁ
帰るって言ったら、帰るんだ」

「きちんと話をするつもりで、来たんじゃないの?」

海堂?
私の心を見透かしている?

私は海堂の大きな手をじっと見つめた

「きちんと話すのかよ」

私の言葉に、海堂がこくんと頷いた

「できるだけ文章になるように……紫音にわかるように努力はする」

なんか、その言い方
私が馬鹿な人間みたいじゃん
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