妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
「木下さんもアドレスを教えてください」

蓉子の隣に座っている男が、私に携帯を向けてきた

「え? 私はいいよ」

私は手を振って、断った

「え?」

「あ……」

コンパで断るのは失礼か……

「さっきの電話でバッテリーが切れちゃって
ちょっと番号がわからないんだ」

ちょっと、苦しい言い訳かな?
私は苦笑をした

別に仲良くもない人のアドレスを携帯に入れても……って思うんだよね

どうせ、この場限りじゃない?

私の場合は、もう会うこともないだろうし

また会いたいっていうわけでもないしさ

「蓉子さんなら知ってるよね?
聞いといてもいい?」

「あ…うん、いいけど」

私は頷くと、年下ボーイが蓉子のほうに戻っていった

なんか、面倒くさい年下だなあ

さっさと蓉子の彼氏になっちゃえばいいのに
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