妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
「ちょっと!」

玄関を出ると、スーツを着た女性に腕を掴まれた
黒塗りの車が、門前に止まっていた

「はい?」

スーツの女性は、眼鏡の奥にある瞳を私に向けた

「貴女、モデルの子よね?」

30代後半の女性が、私を睨む
敵意むき出しの女性の手が、痛いくらいに私の腕を握っている

「はい」

「勘違いしないでよ
社長との一夜は酔った過ちよ
恋人気分にならない頂戴ね」

くぎ打ち?
海堂に抱かれたがっている女はたくさんいるだろうな

バスケの選手で、会社の社長
経歴も素晴らしいし、金もあるんだろう

「わかってます」

「そうならいいわ
これ、昨夜の口止め料だと思っていいから」

スーツの女性の懐から50万が出てくると、私の手の上にのった

一晩で50万ねえ

私は鞄の中にしまうと、微笑んだ

「お小遣いをどうも」

私は女性にお辞儀をすると、最寄駅を聞いて歩きだした

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