妹の恋人は姉の彼氏の従弟Ⅱ
高校とは違うんだな
海堂彰吾は遠い存在で、スキャンダルが付きまとう生活をしてる

私は契約モデルだ
一之瀬ブランドのモデルだけど、テレビで騒がれるようなモデルとは違う

契約社員となんら変わらない

ファンがいるわけでもないし、服の着た感じがわかるように着ているモデルだ

「遅くなって申し訳ありません」

私はスタジオに入ると、頭をさげた

「紫音ちゃんが寝坊なんて珍しいね~
先に桜嗣の撮影をやっちゃったから、平気だよ」

スタイリストやカメラマンが優しい笑顔で迎えてくれる

私は衣装に着替えると、カメラの前に立った

「昨日と同じ服だな」

桜嗣とのツーショットで、並んで撮っていると桜嗣がぼそっと囁いてきた

「記憶がなくて……」

私は苦笑した

「相当飲んでたもんな~
取引先の社長が介抱してたぞ?
覚えてるか?」

取引先の社長って海堂のことだろうか?

「何にも覚えてない
お洒落なバーレストランに足を踏み込んだら、記憶が消去された」

「これから気をつけろよ!」

「ああ、そうする」

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