キライなんです……
蓮センパイは、突然内緒話でもするように声をひそめた。


「でさ、さっきの話だけど。

……Hすんのがキライだって?」


「……」


さっきは勢いで言っちゃったけど。

改めてセンパイとこういう話、しにくいよ。


――しかも部屋で二人っきりで。


あたしはうつ向いて思わず黙り込んでしまった。



「大丈夫。そんなの普通だって」


あたしのそんな思いを知ってか知らずか、センパイの声は続く。


「H好きな女もさ、それはそれでやっかいな側面もあるよ。

オレとしては、ちょっとくらいニガテくらいの子の方がかわいいって思えるね」


「……見てきたようなこと言いますね」


じとっと言うあたしに、センパイはいたずらっぽくニヤっと笑った。
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