キライなんです……
蓮センパイは、はぁ、と小さくため息をついた。


「さっき、男は自分さえよけりゃいいのかって言ってたよね。

杏奈がそう言うのもわかるよ。

でもさ、実際は自分がすごくいいもんだから、相手もいいって思い込んでるっていうかね。

まあ実際、”そのとき”に、そこまで男には余裕がないんだよね。


体だけが目的かって、ホントはそんなことないんだけど、女の子から見たらそう見えるのかもしれないな。

でもホントは、体を求めることが愛情表現なんだよね、男の」


「……」


そんなんじゃ納得できないよ。


「相手の女の子が、何をどう思ってるかとか、どんなことが好きかとか、知りたいと思わないんですか?」

あたしの声は、ちょっとムッとしてた。


って、あたしセンパイに対して何怒ってるんだろ。

蓮センパイは何も悪くないのに。


「うーん。

どう言ったら伝わるかな」


蓮センパイは困ったように頭を掻いて、天井を見上げて眉を寄せた。


「その子が何を考え何をどう思ってるかとか、そういうことに関心があるからこそ、その子とHしたくなるってこと」


「……」
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