キライなんです……
――蓮センパイのこと?


……手の届かない人だと思って、最初からあきらめてた。

あたしには、まぶしすぎる人だもん。


でも、ほんとは……?



「せせセンパイのことは、ずっと、すごく憧れてました。

大好きでしたっ」


変にどもりつつ、勢いで何とかあたしは口走ってた。


蓮センパイがまぶしいくらいの笑顔になる。

まぶしすぎて、直視できないよ。


「でもでも、蓮センパイのような人があたしなんかのことを……ふががが」


言葉は途中で、唇にふさがれた。



目を閉じるヒマもなく。


目の前に、蓮センパイの長い睫毛があった。



こんなに間近で見たの初めて……

間近で見ても、何てカッコ良……



……じゃなくて。



やっば。

あたし、蓮センパイとキスしちゃった。
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