キライなんです……
どんなところがキライ?
「蓮センパイ……」


ゆっくりと唇が離れると。

熱っぽい自分の声が聞こえた。


蓮センパイの腕があたしの背中に回って、

しっかり抱きしめられる。


(わ……)


至近距離で、蓮センパイのささやく声。


「杏奈がHに嫌悪感持ってるのはわかった。

……でも、オレとも何もしたくない?」


「……」


シュボッ

顔にまたしても火が……


「何なら、一度試してみる?」

「せ、センパイ……あの、あのっ」


あたしのうろたえぶりを見て、センパイはにっこり笑う。


「ちょっと荒療治すぎるか。

んじゃ、さ……

具体的に、Hの”どういうところ”がイヤか言ってみて」


「……」


あたしはもうヤケクソ状態で言った。
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