キライなんです……
……ひどいよ。


友達といつも、あんなこと話してるの?

……あんなこと吹聴して回ってるの?

ひどいヤツ。


颯太のバカ。

もう、颯太なんかキライ!



あたしは悔しさと不信感とでいっぱいになって、思わずカバンをひっつかんで部室のドアめがけて駈けだした。




――あんなこと言われるのは当たり前かもしれない。

あたし、Hはニガテ。


……むしろキライ。



男が自分の欲望を満たすため、せっせと頑張ってる間、

あたしはただただ耐えるだけ。


でも、付き合ってる限り、しょうがない。



……Hってそんなもんでしょ。
< 3 / 49 >

この作品をシェア

pagetop